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FMTOWNSのファイルスロットを調査せよ!

横置き方TOWNS(HG/HR以降の分離型)では、ファイルスロットと呼ばれる「内蔵SCSIドライブ」を搭載するスペースが存在します。
ここには主にマウンタを使用して内蔵型のハードディスクドライブ(SCSI)を搭載可能となっています。
また、MX・MA・HA・HB・HCなどのファイルスロット・カバーが取り外し可能な機種では、内蔵型MOドライブも搭載可能となっています。
さて、ここで、内蔵HDDマウンタを流用して、内蔵型MOを搭載できないか?という疑問が生まれますが、内蔵型MOドライブではコネクタ及び電源の位置関係や向きから、ケーブル長さが足りないため、物理的に搭載不可能ということになります。(例外MOドライブあるかもしれませんが)
無いものは作ってしまえ!ということで、「試作型内蔵MOマウンタ」を製作してみました。
ピンアサインを載せておきますので、腕に自身のある方は是非チェレンジしてみてください。
※注意:当方では何ら責任を負いませんので、自己の判断・責任のうえでお願い致します
試作型内蔵MO

SCSIデバイスのピンアサイン

SCSIデバイス   機器側   TOWNS側
1GND2DB01GND2DB01PW42PW4
3GND4DB13GND4DB13PW34PW3
5GND6DB25GND6DB25PW26PW2
7GND8DB37GND8DB37PW18PW1
9GND10DB49GND10DB49GND10DB0
11GND12DB511GND12DB511GND12DB1
13GND14DB613GND14DB613GND14DB2
15GND16DB715GND16DB715GND16DB3
17GND18DBP17-18DBP17GND18DB4
19GND20GND19-20-19GND20DB5
21GND22GND21-22-21GND22DB6
23GND24GND23-24-23GND24DB7
25NC26TRM25OPEN26TRM25OPEN26DBP
27GND28GND27GND28-27GND28TRM
29GND30GND29GND30GND29GND30GND
31GND32ATN31GND32ATN31GND32ATN
33GND34GND33GND34GND33GND34GND
35GND36BSY35GND36BSY35GND36BSY
37GND38ACK37GND38ACK37GND38ACK
39GND40RST39GND40RST39GND40RST
41GND42GND41GND42GND41GND42GND
43GND44SEL43GND44SEL43GND44SEL
45GND46C/D45GND46C/D45GND46C/D
47GND48REQ47GND48REQ47GND48REQ
49GND50I/O49GND50I/O49GND50I/O
SCSIデバイスは25番ピンがNC(未接続)となっているが、機器とTOWNS側コネクタを接続するケーブルでは結線している
DB0・・・DATA BUS BIT 0
DB1・・・DATA BUS BIT 1
DB2・・・DATA BUS BIT 2
DB3・・・DATA BUS BIT 3
DB4・・・DATA BUS BIT 4
DB5・・・DATA BUS BIT 5
DB6・・・DATA BUS BIT 6
DB7・・・DATA BUS BIT 7
DBP・・・DATA BUS PARITY
TRM・・・TERM PWR
ATN・・・ATTENTION INDICATOR
BSY・・・BUSY SIGNAL
ACK・・・ACKNOWLEDGE
RST・・・SCSI BUS RESET
SEL・・・SCSI SELECT
C/D・・・CONTROL SIGNALS OR DATA ON THE SCSI BUS
REQ・・・ACCESS REQUEST
I/O・・・SCSI I/O
PW1・・・電源コネクタへ(+5V)
PW2・・・電源コネクタへ(COM)
PW3・・・電源コネクタへ(COM)
PW4・・・電源コネクタへ(+12V)

自作メモ

使用部品

ヘッダソケット50ピン機器側179円
ボックスヘッダ50ピン(ロック無し)本体側210円
紙フェノール基盤2.54mmピッチ210円
耐熱電子ワイヤコネクタピッチの関係でワイヤ太さはAWG28を使用します515円
ケースマウンタ金具のかわりに100円ショップの樹脂ケースを使用105円
サンデーPETベゼル用の素材 アクリル板は高いので「ポリエチレンテレフタレート共重合体」を使用448円
絶縁ビニルテープケーブルをまとめるのに少量を使用しました 
ハンダボックスヘッダを基盤にのせ、ワイヤをハンダ付けするのに使用しました 
中古3.5”MOドライブ230MBオーバーライト対応の富士通M2512A22を搭載しました2,500円
合計4,167円+α
マウンタ金具にアルミ加工を考えたのですが丁度良い厚み(1mm)のものが売り切れていたため、100円ショップで適当なサイズのPPEケースを購入しました。
プラだとカッターで切断している間に割れてしまうし、PPEならハンダゴテで切断できるため(人体にとても悪そうですが)暫くはコレでガマンです。
一番の問題は「MO用ファイルスロットカバー」です。MA/MXでファイルスロットのカバー(前面パネル)を外したときの穴と、MOのベゼルのサイズはけっこう差があります。
もともと本体に装着されているファイルスロットカバーはデザイン的に湾曲しているため、同様のものを工作するのはかなり難しいでしょう。
そこで、アクリル板より「やや安い」うえに、やわらかく耐衝撃性能の高い「サンデーPET」を使用しました。(ただし接着剤は高い)

試作品完成図

試作型内蔵MO
サイズ合わせのためMO用ファイルスロットカバーに透明の素材を使用しています。

動作確認

試作型内蔵MO
こちらが実際に内蔵MOドライブから「Townsシステムソフトウェア」を立ち上げたところです。
区画設定・ドライブ構成の追加・CD起動からMO上のTOWNS区画に「Townsシステムソフトウェア」をインストールしました。
断線している場合は区画設定の時点で「ハードディスクn番が使用可能になっていません」(nはSCSI−ID)と出てしまいます。
ためしに「ぷよ○よ」をHD起動化してMOから立ち上げてみましたが(CDドライブにはOSなり何らかのCDが入っている必要があります)、問題なく動作しました。
MOは書き込みや消去が遅いのですが、それでもフロッピィディスクよりは体感で遥かに高速です。読み込みに関しては同容量のハードディスクと遜色ありません。

何故いまごろMOを内蔵させるのか?

FMTOWNSで利用可能な内蔵ハードディスクが全体的に入手困難になり、且つ、手持ちのハードディスクも故障が目立ってきたため、代替手段として(私に)抜擢されたのが、MOドライブであるという話です。
メディア交換が可能であるため、Townsシステムソフトウェア用/プログラミング用/ゲーム用などでメディアを分けて利用していきたいです。
しかし、そうなるとハードディスクも内蔵させたい(モデルHB53M/HC53MはHDDとMOを内蔵しています)・・・と思いますが、汎用スロット搭載型のHDDを利用するか、若しくは、他の空きスペースに無理矢理に搭載するしかないようです。
IDE−SCSI変換基盤と2.5”−3.5”変換を使用して、2.5”IDEのハードディスクをメモリスロットの上のスペースに吊り下げる・・・というのも可能なら面白そうですね。

今後の課題

マウント金具を作る(やはりアルミ加工が無難だと思います)
MO用ファイルスロットカバーの完成度を上げる
本体側コネクタの強度を上げる(ホットボンドなどでケーブルを固定しないと抜き差し時に断線しそうで怖いです)
1.3GBクラスのMOが利用可能か調べる(640MBは動きそうな気がしますが、1.3GBは持っていないので^^;)

ご意見お待ちしております

もっとこうした方が良い・こんな素材が安くて加工しやすい・ここは間違っているetc...
些細なことでもご意見お待ちしております。
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